【 第八条 】
 一期一会の心で

ひとそれぞれに、一生の時間は限られています。一年は三百六十五日。一日は二十四時間。一度限りの今です。

お互いに限りある時間なのですから、自分本位な思いで他者の時間を無駄にしてはいけません。

時間の約束は守るようにしましょう。

有意義な時間の使い方と、共に今を生きていることの有り難さを、お互いに大切にしましょう。

 

寺院の仕事は一人で出来ることではありません。お互いに協力し合わなければ、順調に事が運ぶことはありません。

身勝手な思いで、仕事を同じくする人のことを思い遣ることをしなければ、自然な協働が出来なくなってしまいます。

時間の約束を守ろうとすることは、共同作業における基本となることです。お互いに精進して、よりよい生き方をしていきましょう。

 

 

【 十七条憲法・第八条 】

[原文]
八曰、群卿百寮、早朝晏退。公事靡盬。終日難盡。是以、遲朝不逮于急。早退必事不盡。

[書き下し文]
八に曰く、群卿百寮(ぐんけいひゃくりょう)、早く朝(まい)りて晏(おそ)く退(まか)でよ。公事いとまなし。終日(ひねもす)にも尽くしがたし。ここをもって、遅く朝(まい)るときは急なることに逮(およ)ばず。早く退(まか)るときはかならず事尽くさず。

[現代語訳]
もろもろの官吏は、朝は早く役所に出勤し、夕はおそく退出せよ。公の仕事は、うっかりしている暇がない。終日つとめてもなし終えがたいものである。したがって、遅く出仕したのでは緊急の事に間に合わないし、また早く退出したのでは、かならず仕事を十分になしとげないことになるのである。

[英語訳]
8. All officials shouled go to their offices in the Court early in the morning and retire late. Many affairs of the state are incumbent ; even if officials should stay in their offices all day long, they would not be able to finish all their business. Therefore, if they come to their offices late, they cannot meet emergencies ; if they retire early, they cannot complete their work.

出典:中村元 著『 聖徳太子 地球志向的視点から 』(東京書籍)THE SEVENTEEN-ARTICLE CONSTITUTION by Prince Shoutoku Translated into English by Hajime Nakamura

 

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