【 第三条 】
 共和的な寺院であるように

法人の役員会の合意によって定められたことは、かならずそれを守りましょう。

各々には、それぞれの立場や役割があります。各々が適切な役割を務めてこそ、自然な流れの好循環が働き、すべてがよりよくなっていきます。もしもそこでの役割や手順が不適切なものであれば、組織の崩壊が起きてしまうでしょう。

そういうわけで、役員会で定められたことは、責任のある役職に就くものから率先して守らなければいけません。

そして、そこで定められたことを、各自が必ず守るようにしましょう。そうでなければ、その法人は自ずと成り立たなくなってしまうでしょう。

 

十七条憲法が制定された時代背景においては、朝廷における天皇と官吏と人民の関係性において説かれている内容ですが、民主主義の社会における宗教法人を対象ととして、読み替えてみました。

みんなのこととして決められたことは、自分から守ろうと努めなければいけません。文末に置かれた「おのずから破れん(自然と失敗してしまうだろう)」の忠言を、心して聞かなければいけません。

 

 

【 十七条憲法・第三条 】

[原文]
三曰、承詔必謹。君則天之。臣則地之。天覆臣載。四時順行、萬気得通。地欲天覆、則至懐耳。是以、君言臣承。上行下靡。故承詔必愼。不謹自敗。

[書き下し文]
三に曰く、詔(みことのり)を承りては必ず謹(つつしめ)め。君をば天とす。臣をば地とす。天は覆い、地は載す。四時(しいじ)順(したが)い行いて、万気通うことを得(う)。地、天を覆わんとするときは、壊(やぶ)るることを致さん。ここをもって、君言(のたま)うときは臣承る。上(かみ)行うときは下(しも)靡(なび)く。ゆえに詔を承りては必ず謹め。謹まずば、おのずから敗れん。

[現代語訳]
天皇の詔を承ったときには、かならずそれを謹んで受けよ。君は天のようなものであり、臣民たちは地のようなものである。天は覆い、地は載せる。そのように分の守りがあるから、春・夏・秋・冬の四季が順調に移り行き、万物がそれぞれに発展するのである。もしも地が天を覆うようなことがあれば、破壊が起こるだけである。こういうわけだから、君が命ずれば臣民はそれを承って実行し、上の人が行うことに下の人びとが追随するのである。だから天皇の詔を承ったならば、かならず謹んで奉ぜよ。もしも謹んで奉じないならば、おのずから事は失敗してしまうであろう。

[英語訳]
3. When you receive the orders of the Sovereign, you should listen to them reverentially. The lords is like the heaven and the subjects are like the earth. With the heaven above and the earth below united in perfor-ming their functions loyally in their respective positions, we shall see the world ruled in perfect good order as in the harmonious rotation of the four seasons… If the earth should attempt to supplant the heaven, all would simply fall in ruin. Therefore when the lord speaks, let his subjects listen and obey ; when the superiors act, the inferiors comply. Conse-quently when you receive the orders of the Sovereign, you should be attentive in carrying them out faithfully. If you fail in this, ruin is the natural consequence.

出典:中村元 著『 聖徳太子 地球志向的視点から 』(東京書籍)THE SEVENTEEN-ARTICLE CONSTITUTION by Prince Shoutoku Translated into English by Hajime Nakamura

 

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