二河白道の譬え

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これまでの自分は

自分の思いのままになることを

願っていた  求めていた

 

あたりまえのように

そうとしか思っていなかった

 

ところがどうだろう 

 

自分が欲しいと思うものを

もっと欲しいと思っているうちに

 

心にざわめく”欲”の水は

次第に波打ち

大きくなって

 

 

手に入らないことのもどかしさに 

せつなく身悶えていられるうちは

よかったが

 

やがてその波は

大波になって 荒れ狂い 

私とすべてを

呑み込もうとする

 

 

 

自分がしたいと思ってるいることを

そうはさせないとするものがあるなら

 

面白くない 

邪魔くさい むかつく 

正直 腹がたつ

 

自分にとって都合のよい人を

おれは好む

自分にとって都合のわるい者を

おれは嫌う

 

自分を良く言ってくれるひとを

おれは好きだ 

 

けれども

自分を悪く言うやつには

あからさまに  嫌悪 

しまいには 怒り出す 

怒鳴りちらして 

叱責 罵倒する

こともある。

 

 

心に燻りはじめた“怒り”の火は、

自分の心のなかで大きくなって、

やがては捲きあがる炎となって、

自分とすべてを焼き尽くそうとする

 

 

普通の火であれば

水を掛ければ 消せるし 

普通の水であれば

火で熱せれば 蒸発して

消えてしまうはずだ

 

ところがどうだろう 

欲望の水と 憤怒の炎は

互いに煽って止むことなく

その勢いは増すばかりで

 

到底 逃れられそうにない

 

 

 

それはそうだ 

 

自分の心のなかの

 

火と水なんだから

 

 

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