仏説阿弥陀経

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親愛なるシャーリプトラよ。わたしたちが修行を共にするこの「祇園精舎」は、とても美しい。

私の説いた真実の理法をよりどころとし、真心からそれを共にする仲間のことを大切に思い、ジェータ王子とスダッタ長者によって寄進されたこの場所は、なんと美しいのだろう。

しかしながら君は、気づいているだろうか?

ここから西の彼方、十万億もの多種多様なる仏の国の向こうに、ちょうどいま、夕陽が沈もうとしているこの景色の、遥かな西の彼方に、「極楽」と名付けられた世界があることを。そしてまた、その世界には「アミダ」と名乗られる仏がおられることを。時空を超えて、真実の法を説いていらっしゃることを。

 

 

シャーリプトラよ。なぜその仏の国が「極楽」と名付けられているか、君は知っているだろうか?

その世界に生まれた人々は、人間世界にあるような苦しみを受けること無く、人間世界にあるようなさまざまな楽しみをひとつにしたような、究極の楽を受けるのだ。

極楽とは、その名に現れるように、極めて安楽な世界をいう。

私たちのいる精舎の、いまここに見える景色は美しい。けれどもこの美しい光景は、はるか西の彼方にある、極楽の国土より放たれた光に照らされているから、とても美しいのだろう。

 

 

苦と楽の二つに分かれてあるような私たちの世界には、表があれば裏もある。清く美しいことばかりではない。むしろ汚れて濁った世界というしかない。

善なる人ばかりではない、悪い人もいる。善人がいつも善人としていられるばかりではなく、善人が悪人になることもあるだろう。反対に、悪人が善人になることだってある。

ここから西の彼方、十万億の仏がたの国を越えたところにある「極楽」という世界は、私たちのこの世界を遥かに超えて美しい。なぜならばその国は、ただ一つの真実を、ただ一つの真心をもって、私たちに顕そうとする「現れ」であるからだ。

私たちは学ばなければいけない。慎みをもって、聞かなければいけない。

 

耳を澄まして、聞いてほしい。念じてほしい。

 

仏(ブッダ・悟りの体現者)が、その姿をもって伝えようとしていることを。

仏の教え(ダルマ・縁起の道理)が、私たちに知らしめようとしていることを。

仏の教えを共にする仲間(サンガ・仏教徒)による、平和な世界を。

 

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