二十一世紀初頭の地球音楽

2月4日は大雪の節分の日。FMいみずで隔週水曜午後7時よりオンエアーの『地球音楽ワンダーランド』にゲスト出演してきました。番組の内容は好きにしてよいとのことだったので、時間めいっぱい音楽をかけたいと思い「21世紀初頭10年間のワールドミュージック」というテーマで全10曲を選曲させていただきました。以下にちょっとレビュー。

(MC / Frederic Galiano presente “FRIKYWA” tr.7″Brousse Souvenir”)

① Richard Bona “THE TEN SHADE OF BLUES” tr.2″SHIVA MANTRA”
カメルーン出身のスーパーベーシスト、リチャード・ボナは、1stアルバムから追っかけて聴いている大好きなミュージッシャンです。ベースの超絶テクニックは言うまでもなく、いろんな楽器を自在に操り、さまざまなセッションを繰り広げ、素晴らしい歌声を聴かせてくれる、まさに「音楽の申し子」のようなマルチプレイヤー。選んだ曲ではヒンズーのチャンティングまでボナ流に歌いこなしてます。昔NHKのみんなの歌で「風がくれたメロディー」という曲を日本語で歌っていましたが、おそらくこの人はどんな国の言葉も音として耳コピーできるんだと思う。まだまだボナのキャリアは続くはずなので、これからも楽しみです。

②Baaba Maal “TELEVISION” tr.6 “INTERNATIONAL”
セネガル出身のバーバ・マールは、モダーンでファッショナブルなコスモポリタン。若い頃には西洋音楽の理論をパリの音楽学校で学んだ上で、アフリカ音楽の再解釈、再構築を試みたそうです。選んだ曲の共同制作者には、DIDI GUTMAN & SABINA SIUBA (BRAZILLIAN GIRLS) のクレジット。「んっ?ブラジリアンガールズ!?」

(MC / Thomas Fehlmann “VISION OF BLAH” tr.1″Street of blah”)

③Brazillian Girls “Talk to La Bomb” tr.1 “JIQUE”
バーバ・マールのアルバムにあった”BRAZILLIAN GIRLS”のクレジットがどうにも気になりインターネットで検索。BRAZILLIAN GIRLSは4人組の多国籍ポストロック系バンドとのこと。DIDIはアルゼンチン男性、サビーナはイタリア人女性、あと2人はアメリカ人の男性ということで、一人もブラジル人がいないうえに女は一人だからGIRLSぢゃないじゃないか!しかも2ndのジャケ写ではDIDIがおもいっきりメンバーの顔面をハタイている瞬間の写真が!3rdでは、その人はトラ刈りにされてて、もう一人のアメリカ人はいなくなってる(クビ?)。どうもこのバンド、”バンド”というよりもDIDIとSABINAの”ユニット”といった方がよいようなのです。いかにもへそ曲がりの偏屈者といった感じのDIDIと5カ国語を操る謎のトンガリ女、SABINA。やっぱラテンの血はグローバリズムに虚勢されることなくイキあがっているんだなあ。NYという都市ならではのエッジ感。 
“Sunday,Oh K-san! Sunday OK?” もちろん、OKです。

④Axel Krygier “PESEBLE” tr.1 “CUCARACHA”
アルゼンチンのアクセル・クリヒエールは最近話題のデジタル・クンビア関連で知られてきてるアーティスト。エキセントリックなテイストでイカシてます。曲タイトルの”CUCARACHA”はスペイン語で「ゴキブリ」という意味らしい。そうイメージして聴いてると、なるほど。。。

⑤Los Fabulosos Cadillacs “La Luz del Ritmo” tr.7 “Should I stay or Should I go”
ブエノスアイレスの大人の不良バンド、ロス・ファヴロソス・カディラクス。私にとって地球上で一番好きなバンドです。FLAVIOの兄貴と野郎ども。アルゼンチンのサッカーみたい。VICENTICO いいノドしてる。クラッシュぐらいシビレル。

(MC / Aksak Maboul “Onze Danses Pour Combattre La Migraine” tr.12″The Mooche)

⑥Martin Bascaglia “El Evangelio Segun Mi Jardinero” tr.1 “CEREBRO ORGASMO ENVIA & SOFIA”
ウルグアイの要注目アーティスト、マルティン・バスカグリア。スペインの「LOVE MONK」というハウス系のレーベルとも関係があるらしい。次のアルバムを心待ちにしてます。選んだ曲では私の好きなサンパウロのARNALDO ANTUNESがゲストボーカルとして参加してるんだけど、とてもノリノリでとても良い。

⑦Los Amigos Invisibles “COMMERCIAL” tr.14 “OYEME NENA”
DAVID BYRNEのレーベル「LUAKA BOP」からや、MASTERS AT WORKのプロデュースなんかでもこれまでにアルバム出してきたベネズエラのバンド、ロス・アミーゴス・インビジブレスですが、このアルバムは彼らのノリが自然な感じがして、私は一番好きです。一人乗りのドライブでもノリノリ!

(MC / Penguin Cafe Orchstra “Telephone and Rubber Band”)

⑧YOKO ONO PLASTIC ONO BAND “Between My Head and The Sky” tr.2″The Sun is Down!”
オノ・ヨーコさんが息子とその彼女と友達たちとで作った2009年の新譜。コーネリアスはあんまり聴いたことないけど、この曲は二世代交流の素晴らしいケミストリーだと思います。

⑨Caetano Veloso “ZII E ZIE” tr.5 “A cor amarela”
前曲に続いてカエターノ・ベローゾと息子とその友達との二世代交流モノ。まだ聴き込んではいないのですが、やっぱりトロピカリズモ全盛の頃や80年代の作品からみると、ちょっとイマイチ感があるのは否めない。選んだ曲はBICHOのODARAみたいで還暦過ぎてなおGAY。

(MC / Pedro Menendez Ensamble “PROFUNDIDAD” tr.5 “Hacemos Unos Mates?”)

⑩Yesterdays New Quintet “Angles Without Edges” tr.3 “PAPA”
エンディングに選んだ曲は、アメリカの西海岸HIP HOPで知られるMADLIBの分人化ジャズユニットYNQ、2001年の1st.アルバムから。

20世紀へのノスタルジーもまだ昨日のことだった2001年から、はや10年。いよいよ21世紀の未知の領域が開かれようとしています。いまはまだ幼い子供たちが生きていくであろう未来の世界にも、みんなの音楽ワンダーランドが輝き続けていますように。心から願いを込めて -Papa。

生放送のコミュニティーFMということで番組を聴いていた人はだいぶ限定されるので、CD-ROMに焼いた番組の収録音源をご縁の方々にお渡しして聞いていただいています。もしも興味のおありの方は、メール をいただければ、お手元までお届けいたします。

私DJKの耳からのびるアンテナでキャッチした21世紀の地球音楽に、
共鳴、共感、共振していただければ幸いです。

よい音楽を楽しみながら、よい時間を過ごしましょう。 音 心 伝 。DUSIC!