しかしながら、心を落ち着かせ、注意深くこの世界を観察してみると、私たち一人ひとりが完全に独立して存在し、完全に別個の世界を形成しているわけではないことにも気付かされます。私の世界は、常に私一人を中心としながらも、様々なものごとが様々に関わり合うことで成り立っているようです。

あれがあり、それがあり、それらがあるから、これがあります。
彼がいて、彼女がいて、あなたがいるから、私がいます。

関係性から孤立しては、それぞれの物事は存在しえません。
互いに影響を受け与え合い、互いに変化を及ぼし合いながら、それぞれが存在しています。
すべては関わり合い、すべては移り変わっています。
私の世界の中心にある私という存在も、常に他と関わり合いながら、常に移り変わっているのです。

ブッダによって説かれた教えを「仏法」といいます。仏法は、現在・過去・未来を通し、あらゆる空間に於いて普遍性を以て在り続ける「永遠真実の真理」です。仏法は、人間の思考による作為的な創作ではありません。ブッダが自身の悟りのなかで目覚め気付かれた「真実自然の法則」なのです。

仏法は、「すべてはつながっている」という真実を、私たちに説き明かそうとしているのです。
そして、「生かされながら生きている」という真実を、私たちに教え伝えようとしているのです。




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