人の欲にはきりが無く、満足を知ることはなかなかできないものです。
寺に住んでその仕事をする者は、生活を慎み、物欲を控え、ご門徒方からの様々な依頼に応えるようにしなければいけません。
ご門徒方からの依頼や相談は、多岐に渡ってあるものです。仏事に関することだけでなく、精神面や生活面などにも様々な問題はあって、それが無くなるということはありません。
けれども世間のありさまを見渡すと、寺院の仕事をする人々の中にも、それを営利目的の商売かのように考えることを当たり前にして「布施(他者に施すこと)」の本来の意味を履違え、社会に誤った認識を与えていることもあるようです。
そんなことだと、財産のある人からの相談や依頼は丁寧に受けたとしても、生活にも困難な人からの相談や依頼は、おざなりにしてしまうことにもなってしまいます。
これでは、さまざまな問題を現実に抱えている人々は、寺院や僧侶に何を求めていいのかわからなくなって、社会における仏教の必要性が疑われることにもなってしまいます。
自利利他(人のために尽くすことが、自分のための修行となること)につとめましょう。