日本の歴史が伝える偉人・聖徳太子を、浄土真宗の始祖・親鸞聖人は「和国の教主(日本のお釈迦さま)」と呼んで、尊敬されました。
「聖徳太子」という人物が歴史上実在したかどうかを疑う人もいるようですが、私にとってその史実としての真偽は、それほどに重要なことではありません。
私たちの国の最初の根本規範『十七条憲法』を読み込むことによって感じられるその人の「信念」にこそ、世間にあって理想的な人間としてありたいと願う{菩薩}としての相(すがた)を観て、宗祖に同じく尊敬し、憧憬の念を抱くのです。
太子によって説かれた『十七条憲法』の心を読み解くようにして、それを共和的な寺院運営のための「精神的支柱」とすることができたら、と思いをめぐらせた意訳、慶集寺の理念『十七条心得』をここに上梓いたします。
怒り(いかり) 腹立ち(はらだち)
妬み(ねたみ) 嫉み(そねみ) 欲(よく)多く
煩悩に満ちた自分を 省みることから
いろいろでひとつの世界にあって
私たちの進むべき道を照らす
光としての{ 十七条 }が
それをつとめようとする一人ひとりを
和の未来へと導くことを 心に信じ 願います
感謝 尊敬 平和
慶びの集うお寺でありますように
合掌 南無仏 南無阿弥陀仏
琳空山 慶集寺 第十八世 住職 釋 朋弘