第十三条 】もろもろの官職に任ぜられた者は、同じくたがいの職掌を知れ。あるいは病にかかっていたり、あるいは出張していて、仕事をなしえないことがあるであろう。しかしながら仕事をつかさどることができた日には、人と和してその職務につき、あたかもずっとおたがいに協力していたかのごとくにせよ。自分には関係のなかったことだといって公務を拒んではならない。  

 

 〈義〉の章の後段にあたる[第七条]では、各々に与えられた役職に務めなさいと説かれていましたが、その補足にあたるような内容が、この[第十三条]には述べられています。

 自らの分限や分際をわきまえて、自分の受け持つ役割に勤めることは大切です。けれども自分の受け持った範囲のことだけを考えて、全体的な流れのなかでの動きを見ることができないと、協働の場においては不都合が起きてしまいます。

 自分の時間を売るようにして働いて、その対価を受け取るだけだと割り切って考えるなら、それはそれで、一つの生き方なのかもしれません。けれども、多くの人々が集まり協働して、目的をもって何かを成し遂げようするのであれば、報告と連絡と相談といったコミュニケーションを通じて、他者との信頼関係を育てていくことは重要です。

 チームでもグループでも組織でも、複数の人々が集まって何かを成し遂げようとするときには「和合」することが大切です。「和」の一文字を「かなう」と読むように、協調性をもってよりよい連携をしていくことで、一人ではかなえられないことも、やがてかなうはずだと思います。

 そう信じて、人と関わっていきたいものです。

 

 

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