6月4日(木)

最近なんだか、暑かったり、寒かったり。
晴れたり、降ったり、曇ったり。

昨日の朝日新聞「天声人語」は興味深い内容だった。
以下に転載。

五月もだいぶ過ぎてから、都内の友人の家でアンコウの肝(蒸し)を振る舞われた。本来は寒い冬のものだけれど、日本海から到来したのだという。たっぷりと深い味わいだった▼

楽しみながら、季節が逆戻りしたような奇妙な気分にもなった。まさに旬のアンコウの豊かさなのである。食通の友人も、五月にこんな経験をしたのは初めてだという。「そういえば...」と彼は思い出した。「今年はノレソレが早かった。ふだんなら三月四月にお目見えするのに、二月にはもう口に入った」。ノレソレとはアナゴの稚魚。酒の肴とする。▼

関東甲信越地方から九州南部にかけての広い地域で「梅雨入り」したとみられる。きのう、気象庁がそう発表した。しかし、なにやら釈然としない。すでに五月、関東から西では雨とか、雲の低いどんよりとした日が連続したからだ。まるで梅雨だった。ただし「梅雨寒」はあまりなかった。逆に、全国的に暑かった。仙台では、観測史上タイの16.5度という平均気温を記録したほどだ▼

京都の山のふもとに、自然を友として暮らす友人がいる。今年初めて体験したことがいくつかあったという。 1.カエルが冬眠しなかった。彼が庭先に近付くと、驚いた数匹がバタバタと水に飛び込む。冬の間ずっとそうだった。 2.野スミレ。ふだんは三月ごろに咲くその淡い紫の花が、去年の十二月に開いた。▼

3.趣味でシイタケを栽培している。十一月ごろ生え、つぎは三、四月ごろ生えるのだけれど、秋から春までだらだらと生えた。 4.いつも凍るのに池に氷が張らなかった。 5.冬のさなかアオダイショウを見つけた。やはり冬眠しなかったのだろう。▼

通勤の道筋で、アジサイが鮮やかに咲き始めた。いつもの時期だが、例年より花が多い。うれしいはずなのに、ちょっと不安になった。そんな世界に私たちは生きているのか。

(1998年6月3日 朝日新聞朝刊 天声人語)













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