2006年9月1日「二十九才に思う」


今年のワールドカップドイツ大会の後、日本代表の中田英寿選手がサッカー界を引退するということが話題になったとき、彼の年齢が二十九才であることに注目されました。
三十代を目前にして、これまでの人生を振り返り、これからをどう生きるかを考え直す。
そんなタイミングが二十九才という時なのかもしれません。

昔の日本人に比べると平均寿命は格段に伸びて、還暦を向かえる団塊の世代に「お年寄り」といえば失礼にあたるような昨今。日本人の精神年齢にもかなりの変化があるようで、全体的に若いといえば若い(幼稚といえば幼稚)になっているようにも思えます。成人式で晴れ着を着飾った若者たちが七五三のお参りみたいに見えてしまうのは私だけでしょうか。
大人になるための通過儀礼を欠いた現代の日本社会においては、三十路を向かえる直前の「オジサン・オバサンの壁」が、一つの意識の通過点になっているのかもしれません。

かくいう私こそ二十九才が、結婚、移住、転職という人生の大きな転換期でした。大人になんかなりたくない、なんていってもいられなくなっちゃったなあ、と思わざるをえなくなった日があったような気がします。

あれから数年が経ち、大人らしい大人になれたかどうかは自分ではわかりませんが、「大きなこころの人」になりたいという人生の目標を指針として、少しずつでも成長していきたいと思えるようになりました。

これから大人になろうとしている若い人たちに向けて
仏教の伝えようとするアドバイスとして

浄土真仏教「第一章の二 旅立ち・一歩踏み出す」

感謝 尊敬 平和 南無阿弥陀仏



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2006/08/06